■製造法

登校途中で克也、唐沢、倉橋は百合と出会う。同じ車輌に居合わせたのが昨年の甲子園優勝投手である武南高校の山中健太郎であった。健太郎は実は百合と幼馴染であり、引越しで別れてしまって以来久しぶりの再会を偶然果たしたのである。健太郎は強引に日曜日の約束をして去ってしまう。克也と唐沢にとっては恋のライバル出現であった。 日曜日に再会した百合と健太郎だが、健太郎が口説くものの、百合は本気にしない。百合が去ってあとで、百合が落とした定期券入れに気づいた健太郎は、練習帰りの克也にそれを渡す。健太郎と同じように、定期券入れの中を見てしまった克也は、健太郎の甲子園優勝時の新聞の切抜きが入れられていることにショックを受ける。駅で百合に渡すと、百合は中を見たかとあわててたずね、みてないという克也の嘘にほっとするのであった。 健太郎は青秀高校に練習試合を申し込んできた。練習代わりということで克也と唐沢も出してもらえることに。百合の前で張り切る健太郎は完全試合ペースで9回裏二死までもってくる。しかし倉橋が見事に捉えて不用品回収 に。続く克也は意表をつくセーフティースクイズ。しかし判定は無常にもアウト。だが健太郎にはそれがセーフであったことがわかっていた。 試合後、百合は定期券の中のものを返してと健太郎にいう。それは克也が中学時代の陸上大会で新記録を出した時の写真だったが、それを知らない克也と唐沢は落ち込むのであった。 *第3話:ゆれ動く青春 通学途中に遅刻寸前で走る克也は、角で同じ高校の女生徒(安田雪美)とぶつかってしまう。陸上をやっている雪美は、それが憧れの克也だと知り、遅刻して風紀の先生に捕まったのに平気で克也に自己紹介をし、中学の時から克也に惚れていると告げる。雪美はやがて克也に大会までの間コーチをして欲しいという。監督命令で渋々引き受けるものの、やがて本気になって指導する。コーチ期間中、克也は雪美が兄を交通事故で亡くしていること、自分が速く兄に追いつけていたら兄が事故に会わなかったのではないかと雪美が思いこみ、そのために陸上をやっていること、また克也に兄を重ね合わせていることを知る。 雪美が気になる百合。 一方で、百合が正式にマネージャーとなるとともに、武南高校野球部がランニングコースに、青秀高校を入れるようになった。百合に会いたいがための健太郎の策略だが、男子校のチームメイトも、共学の青秀にくるのはまんざらでもない様子。健太郎は百合の父である中尾監督をうまく使って日曜日のデートを取り付ける。 日曜日、雪美の応援に行った克也たちの前で、雪美は惨敗する。実は前日雨の中で練習したために熱を出していたのだ。おぶって雪美を送る克也は、デートでバイクに乗っている健太郎と百合に出会う。健太郎は克也と冷凍おせち が互いに好きなのだと気がついているが、2人が積極的になれない間は、自分が入り込むチャンスがある、という。 *第4話:顔で笑って心で泣いて 地区予選1回戦を倉橋の力投もあって突破。そのグラウンドには、それぞれセンターとライトのポジションを得た克也と唐沢もいた。しかし彼らは2回戦目が健太郎の武南だと気がつく。 ある日の練習を見に柄の悪い連中がきており、百合が先に帰ると同時にいなくなっる。心配になった克也は、唐沢と共に後を追いかけ百合を不良たちから救うが、克也はその時に足を捻ってしまう。その帰り、ふとした会話で克也の好物を五目すしだと知る百合。 翌日の2回戦、雪美が弁当を克也に届けにやってきて、克也をさらってしまう。百合は唐沢に作りすぎたからと弁当を差し出すが、それが五目すしであることに気がつき、唐沢は百合の気持ちを知る。 試合は投手戦となり、両軍無得点の9回裏、ランナー1人をおいて健太郎を迎える。球威に押されるが飛んだコースが右中間で、克也はとれると確信したが、足を痛めていて届かずにサヨナラ負けとなる。しかしチームメートも監督も、詫びる克也に、仕方ない、2回戦まできて武南と接戦で負けたんだと大満足の様子。倉橋だけは気づいて百合に克也の足を見てあげるように頼む。横浜 マンション に治療してもらうところに健太郎がやってこようとするが、克也と百合の恋を応援しようと決めた唐沢が阻止する。克也はあらためて、自分は百合が好きなのだと自覚するのであった。 *第5話:ハッピーバースデー16歳 甲子園で勝ち進む武南高校と健太郎に対し、克也は4日に1度の練習も忘れて電話で呼び出される始末。慌てて駆けつける克也は途中でおばあさんを助ける。 そのころグラウンドでは、監督が百合に、3年生が抜けて寂しくなった、しかし、今年は3人しか新入生はいなかったが監督就任以来の豊作だ、と語りかけ、百合も同じことを実感するのだった。 一方で部員達は、やがてくる百合の誕生日パーティーの開催をもくろんでおり、克也はプレゼントを買うことになっていた。当日、克也は先日助けたおばあさんとまた出会う。それは雪美の祖母で、雪美の兄と克也の印象が似ているため、雪美の兄が生き返ったのだと喜ぶ。雪美の家まで送り届けてから、練習に向かう克也と歩く雪美だが、以前に百合にちょっかいをかけてきた連中と出くわしてしまう。克也は時間を稼ぐ間に雪美に逃げるようにいうが、雪美は逃げず、一人がウィークリーマンション を持ち出し克也に向かってくるのに気づき、自ら盾となってしまう。病院に運ばれる雪美に克也はつきそう。そこでついていたテレビでは、ちょうど武南高校が甲子園を制し、健太郎が全国放送で百合に誕生日おめでとうという。克也は敗北感におそわれてしまう。 一方で野球部では、克也が来ずに、驚かすはずのパーティーはばれてしまう。 克也は夜、百合に電話をかけた。百合は事情を聞いており、健太郎の言葉よりも克也のおめでとうの言葉を嬉しがってくれた。 *第6話:すれちがいの文化祭 文化祭で野球部は、甲子園優勝投手の健太郎を招いて、その球を参加者に打ってもらうという企画を行い、その条件として健太郎は百合と一緒に文化祭を見てまわる。 克也たちはボールで遊んでおり、ボールを取りに来た時に、健太郎が百合を口説いている場面に出くわしてしまう。慌てて「ごめん」とその場を走り去る克也に百合は「ちがうの」と叫ぶが、克也には2人がくっついているようにしか思えなすった。グッドタイミングだという健太郎に、百合は泣きながら相手のの頬を叩くのであった。 放心状態の克也は、雪美に促されるまま雪美のクラスの甘味屋で食べ過ぎてしまい、保健室へ運ばれる。倉橋が気を利かせて、百合に見に行くように促す。ところが、百合が保健室に入ろうとしたとき、ちょうど雪美が熱を測ろうと克也に顔を近づけていた。驚いて走り去る百合に対して、思わず「ちがうんだ」といった克也は、先ほどの百合の「ちがうの」の意味が分かる。互いに「ちがう!」と叫び、その意味を理解した克也と百合は、今までよりも一歩、相手の心を身近に感じながら、フォークダンスで手を取り合う。 卒業生の送別会。唐沢が克也に、百合が最近練習に顔を出さないことに気がついていう。それに対して倉橋が何かをいおうとしたが、卒業生たちに声をかけられて中断される。彼らは今年の3人に対して期待していると声をかける。その後のパーティーでは、倉橋が早退していた。 克也と唐沢は、帰り道に健太郎から、百合が倉橋の家で家事をしているのはどういうわけだ、と聞かれる。2人にとっても初耳であった。早速それぞれ翌日倉橋の家にいく2人だが、唐沢がケンカ腰であったこともあり、自分を信じてくれない2人に倉橋は「彼女に聞くんだな、俺が頼んだわけではない」といい去ってしまう。監督も百合が倉橋のところに行っていると認め、甲子園に行くためだという。激怒する2人。 克也は挑戦状をしたためて倉橋のところへ行くが、そこで百合と会い、気がそがれてしまう。 練習に行くと、健太郎が倉橋に勝負を申し込んでいたが、倉橋の邪念のなさに、倉橋の無実を確信する。克也は先ほど百合から、倉橋の父がトラック事故でけがをしたため練習中だけ面倒を見ている、という事情を聞いており、倉橋を信じられなかった自分を戒めるために、健太郎の後にバッターボックスに立ち、わざとボールにぶつかる。 新学期、克也、唐沢、倉橋、百合に加え、雪美も同じクラスになった。 *第8話:とんだ新入生 野球部にも新入生がやってきた。健太郎の弟の二郎、西尾、榊、岩谷の4人で、それぞれ中学時代はレギュラーで勧誘に快く応じてくれたと監督は嬉しそうだが、4人はどう見ても不良にしか見えない。百合はもちろん二郎とも幼馴染であった。 4人は練習の見学そっちのけで、となりの陸上部から声をかけてきた雪美を見ている。克也は、二郎から雪美が彼女なのかと聞かれ、それを否定したものの、雪美が魅力的であることは内心認めざるを得ない。健太郎の弟ということもあって二郎は投げてみるようにいわれるが、本気で投げない。 二郎は偉大な兄に対して体格が小さいこともあり、コンプレックスでぐれていた。ある日、練習前に4人は部室でタバコを吸っており、怒った唐沢が追い出してしまう。 練習がないと実はやることがない4人。雪美がそこに現れ、私を好きならば本気になれ、何かに本気になれない男に惚れられても迷惑だ、という。二郎は本気だといい、走っていく。 二郎はグランドで克也に勝負を申し込む。本気で投げた二郎の速球に驚く克也だが、キャッチャー役の倉橋が球の軽さに気が付き、軽く合わせるようにいうと、意外や打球は飛んでいく。二郎は素直になり、頭を下げる。そして4人は次の日に頭を丸めてきた。